お知らせ / イベント

NEWS

TOPICS
2019年06月16日 update

「粂屋重右衛門」庵看板と招き屋根

粂屋の庵看板「粂屋重右衛門」

 

小諸宿の脇本陣だった粂屋は、昭和20年ごろまで、旅籠(はたご)として営業していました。その後も大切に守られてきた看板があります。建物の正面中央にある玄関横に、唐破風の付いた招き屋根が残っていますが、ここに掛けられていた看板です。江戸時代、掲げることを幕府から特別に許された「庵(いおり)看板」といいます。江戸幕府が政権を失った明治以降にも守られ掲げられていたことを考えると、この庵看板が粂屋の格式と誇りを示しつづけていたことがわかります。

 

この庵看板は、街道を江戸に向かうときに見えるように漢字で「粂屋重右衛門」、反対側は、京の都に向かうときに見えるように草書ひらがなで「くめや重右衛門」となっています。また、看板上部にある「マスに上」紋は、脇本陣の格式を表したものと考えられます。今後の文化財資料調査により粂屋の歴史が紐解かれるのではと期待されます。

粂屋の庵看板「くめや重右衛門」